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コロナ禍での知っておきたい保険と資金【3】

Ⅲ相続と保険の関係とは

相続を考えた生命保険の入り方

2015年に相続税法が改正され、基礎控除や最高税率の見直しが行われました。基礎 控除の額が引き下げられたことにより、今までは相続税とは無縁だった方々も、相続税を考慮しなくてはならない時代になりました。また、2018年には相続に関する民法も38年ぶりに改正され、相続を取り巻く環境は大きく変わってきています。
このような状況にあるためか、社長さん、院長先生から、相続に関するご相談がとて も増えています。
相続と生命保険に関するご相談はその方の置かれている状況により内容は多岐にわたりますが、種類を大きく分けてみると

  1. 相続税と生命保険
  2. 遺産分割と生命保険

の二つにまとめることができます。

1.相続税と生命保険

相続税の問題はさらに相続税額の問題と、相続税の納税資金の問題に分かれます。

税額の計算方法についての詳細は省略しますが、日本の相続税は被相続人の財産をすベて合算(課税価格の合計額)し、基礎控除(3,000万円+600万円✕法定相続人の数) を引いたうえ(課税遺産総額)で、法定相続分で按分して相続税額を算出し、実際に 相続した財産の割合で按分して相続人が納税する仕組みになっています。
保険金や退職金は、上記の基礎控除とは別に非課税枠(500万円✕法定相続人の数)があります。また、不動産はその状況(自己の居住・賃貸・事業用地など)により大きく評価が変わりますし、自社株式、医療法人の出資なども財産評価を行っていきます。

財産を評価して、概略の納税額は試算できますので、納税に問題が起きることが想定 されるのであれば生命保険の活用などを考えていくことになります。

遺産分割と生命保険

遺産分けに時間が掛かると借入等の事業資金に影響が出るケースもあります。 今ではトラブルを避けるためではなく、残された方の遺産分けの負担を軽減するためにもご自身の意思を遺言として残されるケースも増えております。 小野様には、遺産分けに関し、保険の面からアドバイスをお願いしました。

2.遺産分割と生命保険

国税庁の統計によると2018年度の相続財産のうち、現金預金等の構成比は33.7%と なっており、土地、家屋、有価証券(自社株式等含む)などの比率が高いことが遺産 分割を行う際に大きな問題が起きる一因とされています。
また、裁判所の統計でも家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割の事件数が2000年度に は8,889件だったところが2018年度には13,040件まで増えています。

一般的に会社や医療機関の経営者の方々の場合、相続財産を評価すると、「事業に関わる資産」の構成比率がとても高い場合が多いと言えます。遺産分割の問題が起きたとしても預金、上場株式、投資用や遊休の不動産であればそれぞれ分割も可能ですが、 「自社株式・医療法人の出資金や会社で使っている不動産など事業に関わる資産」は 簡単に売却することができません。

またこれら「事業に関わる資産」は複数の相続人が相続することになると、経営にかかわる問題も発生しますので、一般的には後継者である相続人が相続することになり ます。

この時に「自社株式や会社で使っている不動産」の構成比率が高く高額であり、一人で相続するとなると、他の相続人との不公平の問題が生じやすくなります。

このようなケースで、相続する財産の不公平を解消するために、「財産の額が少ない相続人」を受取人にした生命保険に加入する経営者がいらっしゃいますが、これは遺産分割をさらに難しいものにしてしまう危険性があることに注意が必要です。

生命保険は相続税の計算上は相続財産の額に合算されますが、その権利は「受取人固有の財産」ですので、相続で取得したことにはなりません。つまりは、表面的な金額だけを見るとは不公平が解消されているように見えても、保険金は相続とは無関係に 取得したことになりますので、相続の権利(例えば遺留分)などの請求権は変わらないことになります。

相続人の関係にもよりますが、無用のトラブルを起こす引き金にもなりかねません。

では、どうすればよいのでしょうか。

一つの解決策は「事業の後継者である相続人」を受取人にした生命保険に加入することです。
この場合は、後継者である相続人がその対価として他の相続人に現金を渡す(代償交付)ことが可能になりますので、相続財産の不公平を軽減することが可能となります。

もちろん、個々のケースで問題は異なりますので一概にいうことはできません。

相続税の納税資金の準備にも、相続財産の分割にも、生命保険は有効な手段ですが、 契約形態、受取人の設定などにより、問題を大きくしかねませんので、相続に関わる 生命保険の活用には注意が必要です。生命保険は契約形態によって、受け取る保険金 に課せられる税金は異なります。

生命保険契約では、契約者(=保険料を払う人)、被保険者(=保険の対象となる人)、 受取人(=死亡保険金を受け取る人)が必ず決められています。この3者の関係のこ とを契約形態といいます。

契約者 被保険者 受取人 税の種類
(1) 相続税
(2) 所得税(一時所得)
(3) 贈与税

相続財産の額によっては、契約形態(2)の「所得税」で受け取る形態が有利ですが、(1)の形態で受け取る保険金の非課税額を活用することは重要です。

相続税における生命保険の非課税枠は、「500万円X法定相続人の数」です。法定相続人が、4人いれば2,000万円まで非課税となります。この非課税枠を準備されてい ないケースも多くみられます。相続対策をしていくにあたり、まずはここからスタートしたいですね。

まとめ

保険の機能を知らなければ、請求できない等の問題にもなりかねません。
ぜひこの機会に、ご自身の保証に関して確認をしてみることをお勧めいたします。
なお、不明な点がございましたら弊社担当までお問い合わせをお願い致します。

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